幻想と現実

 私は福祉の分野で働いています。今日は、「福祉」というものには「幻想」というものがくっついているのだということを感じる出来事がありました。「本人の自己実現のため」「本人の自立のため」なんて言葉をよく耳にしますが、結局のところ、本当の意思ではないけれどもそうせざるを得ない現実や、周りの期待、希望なんてものの方が大きいことが多いのかもしれません。もちろん、現場としてもそうするしかないという事情などがあるでしょうし、本人中心だけでは成り立たない部分があるでしょうし、スタッフにも家族にもそれぞれに生活があります。だから、そういう現実的なことを考慮すると福祉の理念である「本人の自己実現」なんて、幻想にしかすぎないのかも・・と思うのです。だからこそ、基準となるもの(理念)があるのだと思いますが・・・。学生の頃から思っていましたが、福祉の専門職ももちろん必要でしょうが、理解者や友人、力になってくれる存在があることの方に大きな意味を感じてしまうのです。