「ヴァージン・スーサイズ」

 私は音楽をかけて運転するのが大好きなのですが、昨日久しぶりに映画「ヴァージン・スーサイズ」のサントラを聴きました。映画もさることながら、選曲も素晴らしいのです。一番のお気に入りはトッド・ラングレンの「A DREAM GOES ON FOREVER」「HELLO, IT'S ME」です。メロディが美しく、聴いていると良い意味で身悶えします。 家から出ることを禁じられた姉妹たちが、彼女たちに憧れている少年たちと電話をしあうのですが、言葉を交わさず、お互いが持っているレコードを掛け合い、歌を通じて会話をしていくのです。ただのおしゃれ系アーティストではできないことをソフィア・コッポラはやっていると私は思うのです。その他にも、細かい部分にも美しさと可愛らしさを匂わせるものが散りばめられています。それがまた上品にセンス良く。例えば、彼女たちがパーティーに出席し、テーブルの下で少年たちとこっそりお酒を飲みながらキスをするシーンがあるのですが、そのときのお酒は桃のリキュールなのです。たくさんのフルーツの中から桃を選択したそのセンスの良さに脱帽です。
 映画の内容は可愛らしくもありますが、それだけでなく欲望や重いテーマもかなり含んでいると思います。そのせいか、姉妹たちはますますキラキラとしているように感じます。

 そんな訳で、私はこの映画が大好きなのです。